教会用語解説シリーズ(51)「イースター」


 イースターEasterは、古典英語ではパスハPaschと表現し、それはユダヤ教の最重要の祭りである過越祭Passoverから来ています。なぜイースターと呼ばれるようになったかについては諸説あるようですが、最有力の説とされているのは、8世紀のベードBedeという司祭が唱えた説です。異教徒のゲルマン民族に伝道して行く際に、伝統的に春の到来を祝って春の女神エオストレEostreを信奉していたお祭りがあったため、それにキリスト教的な視点や意味づけをして取り入れたために、そのような名称が定着したとするものです。雪や氷に閉ざされ、全てが死んだ状態に見える暗い冬から、春の到来と共に自然界の動植物が命にあふれた活動へと変化する様子が、十字架で死なれた三日後によみがえられた命と力に満ちあふれるイエス・キリストのイメージ、また復活の主を信じる者たちの心にあふれた喜びや霊的な命のイメージと重なって融合されて行ったとされています。
 聖書中最大の奇跡は、五千人の給食でも病人の癒しでもありません。聖書の預言とご自身のみことばの通りに、主イエスが死から復活されたことです。主の愛弟子たちも、そのお約束を聞いていましたが信じていませんでした。しかし、復活の主にお会いしてからは、その命をかけてキリストを宣べ伝えるほどの大胆な証人へと変えられました。十字架と復活の証人として整えられたいですね。



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