教会用語解説シリーズ(4)「恵みの手段」


 ご年配の方には「おんちょう恩寵の手段」というほうがしっくりくる表現かもしれません。これは、「神の恵みが伝達されるための通常の媒介手段として、神によって定められた外的なしるし、言葉、あるいは行動」(ウェスレー)と定義されますが、 教会歴史のどの時代においても、そしてカトリック、プロテスタントを問わず、真実なクリスチャンたちによって重んじられてきました。
 聖書に制定された主要な恵みの手段としては、@聖書、A聖礼典(洗礼と聖餐)、そしてB祈り、が上げられます。ウェスレーは、これらに加えてキリスト教会で伝統的に尊ばれてきた、@黙想、A断食、B少人数での交わりの集会、C敬虔な書物を読むこと、などについても、まず自ら実践した上で、人々に取り組むようにと熱心に勧めています。
心したいのは、これらがあくまでも「手段」であって、それ自体が「恵み」そのものではないこと、それをすれば自動的に恵みに近づけるというものではなく、やはりキリストとの個人的な関係に基づく信仰が前提となることです。信じた者は、神がみことばを通して教えておられる手段(管)を用いることによって、恵みの源泉であられるキリストご自身に、より密接につながって行くことができます。この世にあって誘惑や罪に打ち勝ち、信仰・希望・愛に生きる者とされるためには、恵みの手段をどう活用するかが鍵です。



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