教会用語解説シリーズ(35)「初穂」


 「初穂」とは、その年に畑で収穫される最初の作物を差し、旧約聖書の時代には神に対する感謝の供え物としてささげるよう定められていました。また、それが動物に適応される場合には「初子」と呼ばれ、それも神への供え物として扱われました(レビ記参照)。
 しかし、新約聖書においては、復活のキリストに対し、或いは主を信じる人々に対して、この「初穂」ということばが使われています。そこには、霊的な意味として、「時間的に最初のものが、後に続くものを質的に保障する」という比喩が込められています。
「しかし、今やキリストは、眠った者の初穂として死者の中からよみがえられました。」(Tコリ15:20)
 主イエスが初穂であるとは、主を信じて従う私たちも、初穂であられる方に続いて復活のいのち(永遠のいのち)に生かされること、すなわち死が終わりではない世界に入れられていることを表します。この復活の希望こそ、私たちが今日を生きる力、明日への期待と保証の土台となります。
「兄弟たちよ。・・・ステパナの家族は、アカヤの初穂であって、熱心に奉仕してくれました。」(Tコリ16:15)
 この場合は、ある地域で最初に救われた家族を「初穂」と呼び、最初の実を喜ぶパウロのことばです。どの地域・教会・家庭でも、初穂の存在の大切さ、貴さは変わりません。家族の中で、ただ一人、信仰を守る方々に祝福を祈りましょう。



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