教会用語解説シリーズ(1)「油注ぎ」


 新しく学びの要素を含むコーナーを設けることになりました。教会内でよく用いられる神学・教理の用語を取り上げて、簡単に説明して行きたいと思います。
(ベースは、EPA発行の『ウェスレアン神学事典』)
 「油注ぎ」という表現は、お祈りの中で時々耳にします。「○○先生に、△△兄姉に、油を注いでこの朝の御用に貴くお用い下さい・・・。」
聖書では、頭に油を注がれることは、非常に象徴的な意味を持っていました。
 旧約時代に油を注がれるのは、王、祭司、預言者という人々でした。異教に見られるような魔術的な意味合いでなく、「神から、死すべき人間の自然的な能力ではとうてい到達不可能な権威と力が与えられる」ことの象徴でした。油注ぎは、特別な責務とそれをなし得る権限とを意味していたのです。また油は、聖霊なる神の象徴でもありました。
 そして、先の三つの立場のすべてを担う究極の油注がれた者=「メシア(ヘブル語)・キリスト(ギリシャ語)」として来られたのが主イエスご自身です。聖霊に満たされた主は、神の救いのご計画を完全に成し遂げなさいましたが、今度は信じ従うすべての者たちに油(聖霊ご自身)を注いで下さいます。各人が信仰生活全体のために油注ぎ(聖霊の満たし)を、また一回一回の主への奉仕のために油注ぎ(力と恵みの満たし)を期待する必要があります。



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