教会用語解説シリーズ(41)「異邦人」


 一般に「異邦人」は、読んで字の如し、「異なる邦(国)の人」すなわち外国人を意味しますが、聖書の世界にあっては、「神の民としてのイスラエル人以外の人々」を指し、民族的・政治的な視点よりも、より宗教的な意味合いで使われます。ヘブライ語の元々の言葉には、「ヤーヴェ(真の神)を知らない民」という意味があり、「異教徒(異なる神々を信じる民)」と同じ意味合いでも用いられています。 ユダヤ人は、異邦人を神を知らない汚れた人々と見て軽蔑したり交流を避けたりしましたが、聖書全体のまた主イエスの視点から見ると、それは誤りです。信仰の父アブラハムは、神が「諸国民」(異邦人の別訳)を真に祝福するために召し出されました。主イエスの十字架は、ユダヤ人と異邦人の間の隔てや敵意を取り払い、神の祝福を共に相続するものとして、一つのからだ(教会)を形成するための救いの御業でした。
 かつては私たちも真の神を知らず信じない異邦人でしたが、今はあわれみによって祝福を受け継ぐ神の民、神の家族とされました。
「キリストは、私たちのためにのろわれたものとなって、私たちを律法ののろいから贖い出してくださいました。なぜなら、『木にかけられる者はすべてのろわれたものである』と書いてあるからです。このことは、アブラハムへの祝福が、キリスト・イエスによって異邦人に及ぶためであり・・・。」(ガラテヤ三・14)
 神の民、神の家族としてふさわしい心と生活に歩みたいものですね。



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