教会用語解説シリーズ(30) 「執り成し」とりなし


「すべての人のために、また王とすべての高い地位にある人たちのために願い、祈り、とりなし、感謝がささげられるようにしなさい。」(Tテモテ 二・1)
 敬虔な祈りには五つの角度があると言われます。@「賛美」、A「感謝」、B「告白(罪を言い表して赦しを求める)」、C「願い」(個人的な必要や求め)、D「執り成し」です。この内、賛美は直接神をたたえる祈り、感謝と告白と願いは自分のために祈る祈り、そして執り成しは自分以外の誰かのために祈ることです。例えば、身近な家族や友人・知人、教会の人々やその活動のため、更には祖国のため(冒頭の聖句にあるように、国の指導者たちのための祈り)や世界の国々や苦しむ人々のためにと、無限に対象が広がって行く祈りです。
 聖書には有名な執り成しの祈りの記録として、信仰の父アブラハムが祈った罪深いソドム・ゴモラの町を滅ぼさないようにとの祈り(創世記18章)や、神の人モーセが罪を犯したイスラエルのために、自分の名を削ってでも赦して上げてくださいと神に訴えた祈り(出エジプト32、33章)などがあります。さらに究極の執り成しは、主イエスが十字架上でいのちを注ぎだして祈られた「父よ。彼らをお赦し下さい」という私たちの贖いのための祈りです。
 主と多くの人々に執り成されて今ある私たちも、祈りの翼を張り広げて、多くの人々のために執り成しの祈りを捧げましょう。



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