教会用語解説シリーズ(40)「礼拝」


 「礼拝」という用語はギリシャ語の「レイトゥルギア」から来ており、これがラテン語を経て英語に入ってliturgy(リタージー)になりました。原語では、「ラオス(人々)」と「エルゴン(仕事)」という二つの言葉が合成された用語で、古代ギリシャにおいて「公共奉仕」という意味で普通に使われていたことばを、キリスト教会が「教会において神に対して行われる会衆の奉仕」という意味で当てはめて用いたものです。
 私たちプロテスタント教会では「礼拝」ですが、キリスト教の正統的宗派の一つであるカトリック教会では「ミサ」もしくは「典礼」と呼びます。「ミサ」という呼び名は、直接には「パンとブドウ酒という聖体に与る儀式(聖体拝領)」を意味するそうです。もう一つの宗派でロシアやギリシャ、東欧世界に広がる正教会では「奉神礼」と呼びます。同じキリスト教といっても、礼拝の名称も形態も様々で、他の宗派の礼拝に参加してみると、その違いに驚くことが少なくありません。
 しかし、宗派は違っても主イエス・キリストを信じる正統的信仰の教会に共通する礼拝の視点があります。それは、礼拝は単なる儀礼や儀式にとどまるものではなく、クリスチャンの生活のあり方を示すものであり、日々の生活のひな形であるということです。すなわち、広い意味では生活全てが神への礼拝(奉仕)であると言えるのです。礼拝の心をもって生活しましょう。



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